飯田リニア通信 更新:2020/07/09 21:20

国交省の静岡工区準備工事提案の撤回を求めましょう

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 7月9日に国土交通省は、JR東海が求める斜坑坑口付近の伐採などの準備工事を進めるようJR東海と静岡県に提案したと発表しました(『信濃毎日』(信毎) "リニア準備工事進めるよう提案 国交省、静岡県とJR東海に")。

 国交省の有識者会議の結論によっては、ルート変更もあり得る。静岡県のトンネル工事を許可しない意志は固まっているように思えます。国交省の今回の提案は、既成事実を積み重ねて静岡県を追い詰めようとする意図のあらわれに思えます。JR東海も国交省も科学的な正論では、切り抜けることができないという事実を自ら証明しているようなものに思えます。

 リニア中央新幹線沿線住民沿線ネットワーク事務局より以下の呼びかけがありました。


沿線事務局各位

7月9日付けで国交省がJR東海と静岡県に対し静岡工区の準備工事の実施を求める提案をしました。JR東海の意をくんだもので、撤回を求めたいと思います。
団体名でなく個人名で国交省と静岡県にFAXで送りたいと思います。 静岡県には「このように国交省に撤回を求めました」を添え書きしてください。
とりあえず、国交省の報道資料と提案を添付します。
  国土交通省あて FAX番号 03-5253-1634
  静岡県知事室充て 〃   054-254-4032

呼びかけの中で添付した「国交省の報道資料と提案」といっているのは国交省の発表のページ(1)にあります。

 なお、10日に藤田耕三事務次官が川勝知事をたずね面談(17時から30分程度)する予定で、YouTubeの静岡県チャンネル「shizuokapref」または、静岡県のホームページ「ふじのくにネットテレビ」により、リアルタイムで配信されるようです。

 上記の呼びかけでは、国交省へFAXでとなっていますが、国交省の「国土交通ホットラインステーション」の「鉄道関係」の「1.新幹線」に意見募集のフォームがあるのでそれを利用したらよいかと思います。


以下の意見をフォームから送信しました

事務局担当者の個人名で以下の意見を国交省の意見募集フォームから送信しました。文章は全角で制限が1000文字以内。これで、809文字です(2020/07/10)。

 9日国交省は静岡県に対して、「坑口等整備の速やかな実施を容認するものとし、7月の早い時期を目途に、必要な手続きを進める。」との提案をしました。

 国交省は、「トンネル掘削には、静岡県知事による河川法に基づく占用許可等が必須であるなど、制度的にも『なし崩し』にならないことは担保されている」と言っている。また、「リニア中央新幹線南アルプストンネル建設に伴う大井川の水資源への影響、その軽減策等を検証する有識者会議を開催して…この会議において結論が得られるなど必要な手続きが行われるまでは、水資源への影響等が懸念されるトンネル掘削工事に着手されることがあってはならない」と言っている。

 リニアの早期実現と大井川の水資源と南アルプスの自然環境の保全を両立させるためには、ルートの変更もすでに視野に入りつつあるわけであり、その場合、たとえ静岡県内の準備作業が軽微なものであったとしても無駄になる可能性があります。

 また、およそ6月から10月までの時期は、梅雨期であり、雷雨の時期でもあり、台風の時期でもあり、大井川上流域で土木作業を行う場合に作業にあたる方たちの安全面で心配があります。

 そもそもこのような場所で大きな建設工事を行う上でのリスク(環境破壊、工事上の危険)について、地元住民等の意見を聞かず、環境影響評価で十分に検討せず、工事計画に十分な余裕を見込んでいなかったJR東海に第一の落ち度と責任がある。また、この杜撰な計画を認可した国交省にも極めて重大な責任がある。

 したがって、今回の静岡県への提案は即刻、撤回することを要望します。また、JR東海に対しては、トンネル斜坑や本坑の掘削に関して静岡県知事による河川法に基づく占用許可が出るまでは、静岡県内の準備工事はもちろんとして、ほかすべての関連工事の停止と、静岡県に隣接する山梨県内、長野県内の工区での工事の停止を指示することを要望します。