飯田リニア通信 更新: 2020/01/23

豊丘村民有志が本山の残土置場について要望書を村長に提出、23日

 23日午後、虻川支流の上流部に計画される本山のリニア残土置場の安全性について心配する村民有志5名が、378筆の署名とともに、慎重な対応を求める要望書を下平尊重に手渡しました。署名は虻川下流域の北入、上村、上市場、林里の住民が中心。なお、同様の要望書は、豊丘村村議会議長、伴野区長、林区林里委員長、リニア対策委員会会長、南信州地域振興局林務課にも提出予定。

 要望書の内容は以下のとおり:


2020年1月23日

豊丘村村長 下平喜隆 様

要望書提出者代表 豊丘村神稲7842 原 章

署名集め発起人  原 章 唐澤啓六 鹿野寛 小澤多喜二
署名集め賛同者 城下健治 原ムツエ 池野豊茂 宮下卓也 
壬生万里子 森田千冬 熊谷利子 三島志信

たくさんの署名が集まりました。

本山リニア残土置き場計画について より広範な情報公開と
下流域をはじめ住民の不安や疑問の声に対して
しっかり耳を傾け真摯に向き合うことを求めます

虻川下流域を中心とした村長宛の署名活動を行った結果、387筆の署名が集まりました。その署名を提出いたします。

 本山リニア残土置き場計画について、福澤総務課長が、「村としては7 月25 日に開催された第19回豊丘村リニア対策委員会の審議結果を尊重し、大多数の住民の皆様の合意や理解が得られたという判断に至った」としていますが、この署名の結果から、地元・下流域住民の合意はまだ明確になっていないと思います。

 村長及び担当職員も実際に虻川下流域の家庭を回り、本山残土置き場についての心配をじかに聞いていただきたい。特に虻川近くの多くの住人は深刻に受け止めているので、実態をしっかり把握していただきたい。

 署名多数の事実を、貴職として重く受け止め、この残土置き場計画の内容をもっと広く村民に知らせ、住民の意思を十分に尊重し、合意が図られたか否かを慎重に見極めてください。

 村議会宛にも集まった署名のコピーに同様な要望書を添えて提出し、村リニア対策委員会・伴野区・林区には、それぞれ要望書を提出します。

今回の署名提出に際して、住民の心配や不満を下記に示します。ご検討ください。 

虻川上流の残土置き場…いまだに大きい下流域住民にとっての心配や不満

① 本山に130万㎥。さらに戸中、下っ沢に26万㎥。併せて虻川上流に156万㎥、途方もない残土が虻川上流に置かれ怖い。

② 地下水上昇は残土崩壊に特に関係するが、地下排水設備などに関しての説明には疑問が多い。

③ 「1:2.3の安定勾配などで盛り土自体が安定する」などとして、JRは、残土崩壊のおそれや疑問に対して十分な回答や対応をしようとしない。

④ 施設・設備の経年劣化は当然だが、それらが永久に使用できるような説明をしている。工事後の管理について盛り土を安全に維持できるか不明の点が多い。

⑤ 万が一の残土崩壊に対応する、スリットダム建設や緊急連絡体制の構築などの意見に対しては曖昧な回答のまま。

⑥ 熊本地震や西日本豪雨など、近年の大地震や豪雨災害では、実際に谷埋め盛り土がかなり崩壊し犠牲者が出ている。

⑦ そもそも虻川は、自然のままでも36災などで大きく氾濫した過去がある。

⑧ JRは、国や県の基準を十分にクリヤーした設計と言うが、大量残土の山奥への谷埋め盛り土の基準は、そもそも国や県でも整備されていない。

⑨ JRは、買い取ると明言してしない。「森林の状態に戻るまでは管理をする」「30年くらいJRが管理して問題が起こらなければ、村や地権者に返すことも検討する」などとして、将来的な責任を避けようとしている。

⑩ 虻川上流の谷埋め残土処分構想は、もともとわずかな一部の人たちだけで考えられた。村長は「上流に置けば村民の生活への影響は少ない」としているが、それは工事期間中だけで、いったん置かれれば下流域住民は永遠に不安を抱えることになる。これらの事について今までほとんど議論されていない。等