リニア工事実施計画(その2)の 認可取消し提訴、3月13日

更新:2019/03/14

 リニア新幹線工事実施計画(その2)に対する認可取り消しの提訴が、3月13日に東京地方裁判所に行われました。沿線ネットワークより報告が来ましたので掲載します。 ⇒ PDF版


67人がリニア新幹線工事実施計画(その2)の 認可取消しを求め東京地裁に提訴 ~3月13日

第一次訴訟(ストップ・リニア!訴訟)との併合審理を求める上申も


提訴日に地裁前で~3月13日午後

リニア新幹線の電気・通信工事について、JR東海は1昨年に「中央新幹線工事実施計画(その2)」を国交大臣あてに提出し、国交省は昨年3月これを認可しました。

 (その2)はリニア鉄道施設(トンネル、駅舎、変電所、車両基地、非常口設備)に付随する電気・通信工事や、列車の運行に関連する通信方法などを盛り込んだもので、環境影響評価手続きを全く受けていません。

 私たちリニア沿線住民を中心に2016年5月20日に738人が原告にって、「中央新幹線工事実施計画(その1)」(土木工事)の認可取消しを求めるストップ・リニア!訴訟を東京地裁に提起しており、今回はその訴訟に加わることができなかった方も原告に参加しています。

 (その2)の提訴は、リニアが鉄道事業法や環境影響評価法に違反をしており、リニア工事が南アルプスの自然の破壊や沿線の住民生活の侵害などをもたらすもので、工事計画の実施を取り消すよう求めており、その意味で(その2)の認可取消しを求める今回の訴訟は「第2次提訴」と位置づけられるものです。

 13日の提訴の結果、幸いにも第一次訴訟と同じ民事第3部で行われることになりましたので、弁護団としては、5月17日の第一次訴訟第14回口頭弁論からの併合審理を求めて上申書を東京地裁に提出する予定です。第二次訴訟の訴状についてはとりあえず訴訟事務局のHPに掲載します。

 この日の提訴行動には、第一次訴訟原告側の関島保雄さん、横山聡さん、和泉貴士さんの三弁護士のほか、川村晃生(第一次訴訟)原告団長のほか、第二次訴訟原告の萩原安雄さん(相模原・中央区)、岩井京子さん(東京・大田区)、木村まりさん(東京・杉並区)、籠谷清さん(東京・調布市)、松岡かおるさん(川崎・宮前区)が提訴手続きと記者会見に参加しました。また第一次訴訟事務局から天野捷一、橋本良仁の両氏、リニア・市民ネット東京から懸樋哲夫さん、リニア新幹線を考える東京・神奈川連絡会から山本太三雄さん、山本マチ子さん、リニア新幹線を考える相模原連絡会の建部由美子さんも立ち会いました。 (その1)、(その2)の提訴は工事中止を求めるもので同じ趣旨である 記者会見で(その2)提訴について弁護団から説明

 午後1時すぎの提訴後、午後2時半から司法記者クラブで記者会館が開かれ、関島弁護士から(その2)提訴についての説明が行われました。関島弁護士の説明は以下の通りです(概略)。

 「JR東海は(その1)、(その2)の認可を受けリニア工事を進めようとしている。3年前に(その1)の認可についてその取消しを国交大臣に求めて裁判を起こした。今回は電気関連の工事を中心に認可したもので、(その1)だけでなく(その2)に対しても提訴することは当然である。リニア新幹線の工事は南アルプスの自然を壊し、同時に沿線住民の生活に被害を与えるものである。


記者会見(3月13日、司法記者クラブ)

山梨県の立ち木トラストで200本の桑の木を
追加植栽、二次訴訟原告の所有募集も検討中!


写真は第一次トラスト実施地(山梨県中央市)

 提訴の理由は(その2)も(その1)と共通のものであり、弁護団として5月17日の(その1訴訟=ストップ・リニア!訴訟)の口頭弁論から、二つの工事計画訴訟について同じ民事3部での併合審理を要請する上申書を提出する。リニアは全国新幹線鉄道整備法(全幹法)による認可を受けているが、走行方式も違うし、全国に新幹線網を広げる役割は出来ない。本来は鉄道事業法により安全基準などを厳しく審査すべきであり、併合審理を求めて行く」。 原告からもリニア工事の中止を求める発言

萩原さん:「相模原市内のリニアルートは橋本に駅ができるため、14m~25mの浅深度トンネルが掘られる。そのためルートがかかる土地の地権者には地上権が生じる。いま30人ほどの地権者がまとまってJR東海と対応しようとしているが、JR東海から説明が行われない。地権者1人でも反対すれば工事は出来ない。他にも地権者が立ち上がっている。東京外環道の大深度工事で酸素のない空気が地表に吹き出したが、もっと深度が浅い相模原でも同じことが起きるので工事は許されない」。

岩井さん:「私は大鹿村に行き、リニア工事で村がどうなるか心配になった。南アルプスの自然が壊されようとしているのに、JR東海は工事についてきちんと説明せず工事を進めている」。

木村さん:「友人で長野県伊那の人が多い。話している中でリニア新幹線のことを知り、許されないことだと思った。工事が進められていることに怒りを持って反対する決意である」。

松岡さん:「私は第一次訴訟に加わることができずに残念だったが、今回提訴することになって原告になった。私の住む鷺沼では切土と盛土が分かれているため地盤が弱い。地震に見舞われたら被害がある。住民も井戸の被害を心配している」。

籠谷さん:「民間会社と国による権力の暴走である。リニア技術は古い技術であり、安全性などで限界技術に達している。許してはならない」。

なお、記者会見にはメディア7社の記者が出席しました。

<リニア第二次訴訟都県別原告数>

東京
神奈川14
山梨
静岡
長野11
岐阜15
愛知
67

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編集:ストップ・リニア!訴訟事務局
写真:山本太三雄、天野捷一